まきばのうた

先日足を運んだ寺尾紗穂さんの単独ライブ。

地明かりのピンスポットが2灯とグランドピアノ、マイク1本、そして寺尾さん。

公会堂の雰囲気も相まって、とてもよかった。

 

印象的な曲はいくつもあるが(歌が生まれる場所とか)、

まきばのうた、という歌の歌詞がじんときた。

この曲がつくられた始まり――牧場の春といえば、明るい生命謳歌のようなイメージがあるが、同時に

生まれ得なかった命を悼み、尊ぶ季節でもあるのだという想いからつくられた曲だ。

 

歌詞の中の「馬」を私は自分の犬におきかえて聴いていた。

 

かける かけるよ 風の犬が

はねる はねるよ 光の歌が

道は運ぶよ 願いをのせて

道はおくるよ 明日の夢を

あふれ みちるよ 四月の声が

ひびく ひびくよ まなざしの中

道は運ぶよ かなしみのせて

道はおくるよ めぐる命を

与え 受取り 愛し そして別れ

与え 受取り 愛し そして別れ

うつろう日々のひとときの

幸せをきみと

終わる一日の 冷えた空気の

清しさをきみと

わかつよ

 

 

十年と少ししか一生を共にしない、だからこそ強く結ばれんがためにヒトの相棒として生まれたこたちを

与えられ 受取り 愛し 別れる日々を思うと。