白い花々

ホオノキ

この花が木のてっぺんに高らかに咲くのを見るたびに

恐竜時代にいる気になる。

タイサンボクだと葉の大きさが物足りない

 

ヤマボウシ

9年ほど前に拾ったクロネコの子猫が死んだとき。

わが家の奥山はまだあまりにも初夏だったので、手向けるべき花が見当たらなかった。

これでいいかと摘み取られたのがヤマボウシ。

ただでさえ身に覚えなく妥協され、さらには悲しい気持ちも付け足されて。

 

ガマズミ

なぜだかいつも、すぐに名前が出てこない。

葉の形と鮮烈な赤の実はすぐに思い出せるのに、

花のかたちとその名前だけがいつも記憶から遠くにあってなかなか出てこない。

 

センニンソウ

夏の終わりに、年々広がり年々不穏。

わが家の庭の木をすべて食ってかかるような花の勢い。

 

牡丹

牡丹は散っても美しい。

大ぶりの鷹揚な花弁がごそりと落ちて、地に落ちてなお瀟洒である。

その朝も、散り終えた白い牡丹が見えたのでわざわざ近くまで見に行ったのだが

立ち止まってみると、白い鳩の亡骸であった。

美しかったのに、あまりにも衝撃的で、時を経るごとにあれは現実だったのだかわからなくなる。

やはり夢だったのかしら。魔術の帳をかけられたような。