例えば、雨風にうたれて地に落ちた杉の実。 ある…
一冬分の重苦しい灰色の雪が、 先の雨に打たれて…
縁側に腰をおろして 何をするでもなく、ただいる。 軒下からぽ…
数センチばかりの厚さの氷に 深海を見たりする。
雪の下でサクラソウも準備を始めているのだろうと思えば心が弾む…
朝、目覚めるときの現のあわいに 聞こえた音は屋根をうつ雨音。…
「雪がふる日は、とても静かだ」 昨晩から今朝に…
だーれも来ない山の上 雪の上に寝転ぶのが好きだ 相棒犬はそこ…
五月、わが庭で一番の大輪を咲かせる牡丹は 今から準備を始めて…
褐色の籾殻のような何か。 庭のある一帯に七味唐辛子のように満…
昨晩は、夜通し雨だった。 あんなに雪が積もっていたのにもった…
雪の輪郭で顕わになった格子。 クレマチスの蔦を絡ませるのに …
雪の色は案外素直だ。
わが家の古樹のユリノキは 人の世の喧騒などつゆ知らず ただた…
目が覚めたら相棒犬を庭に連れ出し、「行っておいで」と声をかけ…
君だれだっけと実を見て思う。 花の盛りを思い出し、 ああ君は…
雪がつもると私の庭に動物たちが現れる。 野良猫のさんぽ道。 …
小さい頃からずっと不思議だったこと。 何で大人はこの葉っぱの…
雪の結晶のひとひらひとひらに 名前をつけてみたくなる。
先日、私の赤毛犬がヨウシュヤマゴボウの実を食べた。 その日の…
紅が下れば、常緑が際立つ。 イチイの蒼が日に日に美しく顕れて…
仏壇に供えた花の水替えをしていた母の手がはたと止まる。 一輪…
「サンキライ」という名の木。 家の玄関に長いこといたのにあま…
岩手に戻ってきてから7年が経った。 大学進学で当たり前のよう…
ようやく今の生活にも慣れてきた。 自分の生活のための〈しごと…