まさか私の人生に「ヤツメウナギ」が現れるとは、と思う。
このような生物のことを一生知らずに、ましてや実際にこの目で見ることなく死んでいくことだって大いにあったであろうし、おそらく多くの人はそうだろう。
けれど、私の人生に「ヤツメウナギ」は現れた。
ヤツメウナギ
・脊索動物門 脊椎動物亜門 無顎上綱 頭甲綱 ヤツメウナギ目
・円口類
・「ウナギ」と名はついているが、ウナギとは全く関係がなく、まして魚類でもない
・その一つの証拠として、ヤツメウナギにはヒレがない
・幼生をアンモシーテスと呼び、この時期のヤツメウナギには目がない。
が、7つの目(に見えるエラ)はある。
・目が現れ「八つ目」になると、幼生が終わる
・が、消化機能は退化している
・口は吸盤状になるが、これは摂食ではなく交尾のため
こんな動物が、テレビでもスマホのSNS でもなく、
私の身の回りにいたことにただただこう繰り返してしまう。
「まさか私の世界にヤツメウナギがいたなんて」
ところが、ヤツメウナギからすれば、それもまたおかしな話。
“ 私の ”世界とはいかにも人間らしく、傲慢な戯れ言。
わたしはずっとここに生きてきた、というだけのこと。
現在ヤツメウナギは絶滅危惧動物の1種であり、
それゆえに、場所の特定ができる表現はあえて避けている。
それで、こうして私たちは「ヤツメウナギの環境を守れ」と言うけれど、
私の世界も、ヤツメウナギの世界も生物たちはそれぞれ異なる世界に生きているとでも?
すべてがつながっていると理解し、理解されるにはどうしたらよいのだろう。