丸大豆が不作の年は、
ペチュニアが豊作なのかもしれない。
この夏の異常な暑さからか、祖父母の家のペチュニアは
旺盛に繁茂し、蔓延った。
何しろ花が腐ったような、いやなにおいがする。
どぎつい色の花々は自分たちが侵略した地面への当てつけ、その旗印のように
やけに目につき、ビニルハウスの入り口やその隙間を赤むらさき色でうめ、増殖した。
じんとりゲームのひとり遊び。
何しろ、この夏の憎き多湿をいまだ大事そうに抱えこみ
秋はじめの微かな湿気でさえ殊勝につぎ足しつぎ足しては、ただ濁らせ蟠せる。そんないやなにおいがしていた。