青春

 

盆の暮れ。バスに乗った。車内。通常であれば、吊り広告がぶら下がるべきところに液晶画面。順番に画面に映し出されるのは、国内外のニュース。

「タリバン、首都を制圧」

見出しの大文字の下には、三、四人の男性がトラックの荷台で銃を担いで笑顔を交わし合う写真。皆一様に髭を生やしているからわかりにくいが、案外年齢は若そうだ。二十代、どんなに上に見積もっても三十代あたりではなかろうか。瞳に空の光を映して、心に充ち満ちた達成感すら漂って。

それぞれが夢を抱いて実現したい未来があり、その結実を目指して遮二無二進むことが青春だとするならば、彼等のそれもまた、誰にも侵しがたい純然たる青春なのだ。

節電されたほの暗い蛍光灯のバスの中、眩しさを感じたのは何もブルーライトの光のためだけではない。

この数日、あの光明を時折思い出している。

九月五日