羊の毛を刈り、
犬を撫で、
鶏の血を抜き首を落とし自身で刃をいれ、
火にかけ食し、
牛の額に額を当て、
馬の、今では使われていない仕事道具に触れる。
私はここで初めて、自分の夢を口にした。
8年前から縁がつづく農場主(今は息子に譲っているが)のKさんは
「それは、いいことです」
と力のこもる言葉で私の背中を後押しした。
そして冷静かつ的確に、
私が目をかけている場所の利点について;市街地が近い。車で30~40分
懸念について;霜が強い。が霜に強い植物を植えれば問題ない
と助言をくれた。
師。私にはたくさんの師がいる。
本人たちは照れるだろうから言わないが。
私の胸は高鳴っている。
「クルミがいい実をつけるには、これから5月にかけての今からが実は一番重要なんです」