トサカの余談

5月7日付の「全う」において、

一羽のニワトリを解体させてもらった時

鶏の頸から上は野良猫に持って行かれてしまったと書いた。

 

あれからそのことが何となく心残りで(その他の全身のお肉は余すことなく全て美味しくいただいたので)

とはいえ、眼玉や嘴がついたままの頭部からトサカだけを切り取り食す勇気もなく、

まあこればかりは仕方がないと思っていた。

 

ところが先日、まわりまわってトサカだけを入手する機会があった。

人間用ではなく犬用のおやつジャーキーとしてだったわけだが

そんなことでも私の心は安らいだ。これで全身食ってやったぞ、と。

私の犬の反応から察するに、薄い半透明の紅色のトサカはなかなか美味しかったらしい。

よかった。

 

ああ、私はウソをついた。

恐竜のようなニワトリの脚も食べることができなかった。

ウロコと爪の口当たりや舌触り、そのガサゴソとした触感がつい想像されて。

いつかまわりまわってまた、私の犬の目の前に現れるのだろうか。