黒カビを免れ、天日に干しておいた丸大豆。
よく乾燥している。
中には丸大豆が弾けて、ビニルハウス内に散らばっている。
ざっぱらんざっぱらん。
空箱に音が鳴るほど強く打ち付ければ勝手に丸大豆から莢から飛び出す。
ざっぱらんざっぱらん
本当はすべてに濁点をつけたい。ざっぱらんざっぱらん。
莢の全てがひらくまで打ち付ける。
いい音だ。音楽ができそうな。
実際こうして作業歌というのは出来上がるのだろうと思う。
ざっぱらんざっぱらん
飛び出ろや ほい
莢こ 退(の)かして
ややこの爪 小せな
ざっぱらんざっぱらん
音出して ほい
莢こ 退(の)かして
ややこの爪 小せな
ビニルシートには丸大豆が転がり、
うっかり踏むと滑る。
大きな邪魔なもの(莢やごみなど)は除けて
ごみと豆を分ける脱穀機のような機械に入れる。
ハンドルは手動。
仕掛けはシンプル。ハンドルを回せば風が起こる。
強風に晒されれば丸大豆とごみは勝手に分かれる。
祖母曰く、丸大豆は強く回す。
蕎麦の実は優しく回す。
次は豆のよしあしの選別。
ざっと半分は不良かどうか、というところ。