オダマキには自信があって、
という言葉から始めるとまるで機織りの巧のようなので、こう言うべきか。
うちの庭に咲くオダマキの花には自信があって。
この季節、よく目にする花の一つがオダマキの花。
私はこの花が好きなのである。
筒状の花弁の中にめしべとおしべがひた隠れていて、花びらの輪郭は丸みをおびてやわらかく、
それでいていつも頭を下げているので清楚な印象を受けるのだが
もう一層の花びらはヒトデのように先端をつんつんさせていて、
私はここよと言わんばかりに文字通りスターの形をしているのである。
人間であれば、一見おとなしそうだけれど、好きな話題のスイッチを押した途端に
話が面白い、面白過ぎるみたいなタイプではなかろうか、とは私は勝手に親近感を抱いている。
園芸種なのか雑種の類なのかわかりにくいところもよい。
立体構造としても興味深くて、この季節は、オダマキを見かけるたびに足を止める。
私がよく見かけるのは、上述した形態なのだけれど、
一口にオダマキといってもさまざまで
筒状の花弁が少し開きぎみであるオダマキは華やかに感じられるし、
ヒトデのつんつん5枚ではなく、コスモスの花びら5枚みたいなオダマキもある。
これらはどうも西洋オダマキなどと言うらしい。
今日もまた、いろいろなオダマキを見かけた。
薄ピンクのオダマキ。紫色のオダマキ。紫色だが筒の花弁は白いオダマキ。黄色いオダマキ。
うん。面白い。
このごろは、頭の中にオダマキマップまで出来上がっていて、
やっぱりこのおうちの道沿いのオダマキは今年もいい紫ですねえ
とか、この花壇に前からいたか?黄色いオダマキなどと、
場所で覚えてしまっている。
さらに言えば、今やもう、オダマキの葉を見るだけで、心が躍る。
オダマキの葉も、花弁に負けず劣らず一度見たら忘れられない形をしていて
小さな恐竜の足跡をみっつ結んだような葉がすっくとのびてくる(野菜のミツバの葉の付き方に似ている気がする)
もちろんオダマキの葉もオダマキマップに更新されるので、あとは何色の花が出てくるのかを待つばかり。
でも、一番好きなのは、私の庭に咲くオダマキ。
この場所以外では見たことがない、
蜻蛉のように半透明な。
雨で増し増すわが庭の、熱帯さながらの深緑の勢いにうもれることなく涼やかに、
うすみどり色のわが庭のオダマキ。
今年は花の数が増えました。