カゲロウ

幼い頃の私も、この野生の庭でカゲロウを見たのだ。

あれから三十年は経った。

今日、目の前の葉裏のこのカゲロウは、
あるいは先日外へ逃がしたあのカゲロウも、
幼き日に見たカゲロウの
子孫の子孫の子孫の子孫の子孫の子孫の子孫の……∞……の子孫だろうか。

はかなさよりも、尊さを知る。

カゲロウ