長老湖

穂の名は杉の葉だけでなく、

糸の珠結びの連なりのような形をした、薄琥珀色の何某の種を三十ほど

長老湖から連れ帰ってきた。

私は私で、3つの小さな羽虫を

車内に閉じこめ連れ帰ってきた。目立たぬが、腹にはかすかに縞の模様が見える。

何十キロも移動したのち解放してやった。

穂の名も私も無論、他意はない。