木材を扱う事業を手がける友人から、突然この写真が送られてきた。
「これ、なーんだ?」
私は、ホラー映画のピエロみたいだ、と返事をした。
がーん、ショック、泣き顔、びっくりの絵文字が返ってくる。
「穂の名なのにー!」
と、見立て解説のイラストをそえた写真を再送してくれた。
ほんとだ!穂の名じゃん!!!なんで気が付かなかったんだ!
後日、その友人と会ったとき、車からおりるとすぐに
「はい、これは私さんに」と手の平四方の木片を手渡された。
不思議に思って裏返すと、そこには穂の名。
ただの木材に穂の名がいる。それだけでこうも木片が愛おしくなるとは。
道具の発明は、自分の手足の延長の発想であると何かの本で読んだことがあるが、
ひとの感情も、自然のなかのあらゆるものとひとつながりにして見出すことができるのだな。
人と物。ひとともの。
何より嬉しかったのは、友人が仕事の最中に「穂の名発見!」と思わず手を止めて
すぐさま私に写真を送ってくれたこと。書きつづりながら今もでふっふと微笑ましくなる。