記憶の底から呼び起こされて、今の今まで忘れていた景色。

小・中学校9年間の登校時、

毎朝必ず見る景色があった。

学校に向かう途中、決まった場所のだいたい決まった時間に空を見上げると

鳩の群れがばたばたばたと建物上の小屋から羽ばたき出てきて

みな同じ方向に決まった螺旋を描いて飛翔して、そうしてそのうち小屋に戻る。

なぜか白色がかった曇りぞらを背にしていて

自由を謳歌する景色というより、正反対の不自由さとして思い出されるのは

私が年をとったからかしら。

 

父が最近知り合った方の趣味が鳩レースであるという話を聞いて

突如思いがけず思い出したこと。